タンザニア ブラックエレファント

タンザニア テンボ・テンボ農園 ブラックエレファントAA、勇ましい名前の豆です。

タンザニア カラツ地区 オルディアニ山にある火山杯土壌の農園で生産されています。

タンザニアは実はちょっと焙煎するのが苦手な豆で、滅多に仕入れないのですが、この豆はかなり品質が良いので

豆のポテンシャルに助けてもらえるかなあと思いトライしてみました。

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粒が揃っていて、欠点豆も少なく、状態良好。

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中煎りで止めたいところを、火力を落としてもう一段階深めに。アイス珈琲を意識して。

香りがしっかり残せるぎりぎりのところで煎り止め。

味わいは、シングルでは香りが良く、苦みは少なく、マイルドに落ち着いた感じ。

今回はブレンドのベースにしたため、モカとマンデリンを加えましたが、かなり癖のある風味になってしまいました。

合わせ方の問題は大きいですが、この豆はシングル向きかと思います。

 

コロンビア アルト デル オビスポ

コロンビア南部、ウィラ県サンアングスチンの「アルト デル オビスポ」です。

サンアグスチンは、マグダレナ川が流れる山脈の高地で、標高は約1700m。小規模生産者が丁寧に生産しています。

豆の規格はエキセルソ。小粒な生豆です。果肉を除去した後、水洗、24時間の発酵処理をする、フリーウォッシュドという精製方法です。その後、天日で15日かけじっくり乾燥させています。

原種に近い「ティピカ」味わいが濃く、好きな品種です。

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虫食いが少々ありますが全体的にはきれい。焙煎してみるとチャフは多めでした。

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バランスの良い豆とのことでしたが、酸味をあまり強く出したくないのでやや深めに。1ハゼの後火力を落として熱を逃がしながら

2ハゼが来るぎりぎりまで。すっきりした味わいに仕上がりました。

 

 

 

モカ マタリ

中東、アラビア半島の南部に位置するイエメン共和国。

日本よりやや広い面積の大部分が砂漠で、定住する農耕民族は少なく、遊牧人やサウジアラビアの石油産業への出稼ぎ労働者も多い国です。

コーヒーの産地としては有名ですが、生産量はそれほど多くありません。

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モカ全般に言えることですが欠点豆が多く、ハンドピックに苦労する豆です。そのぶん香りは華やかですっきりした酸味が特徴。

ブレンドのアクセントにも重宝します。

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モカの特徴を活かした中煎り。雑味が出ないよう、焼き上がりに再度丁寧にハンドピック。乾燥が進んでいるので焼きすぎの豆をしっかり取り除きます。

フルーティなお茶のような味わい。

グァテマラ ブルーレイク SHB

火山の噴火活動によって形成された景勝地アティトラン 湖周辺で栽培されており、この湖にちなんでブルーレイクと名付けられています。

SHBとはスクリクトリーハードビーンズの略。グァテマラの生豆は産地の標高によって等級がわかれており、標高1350m以上の高地で生産されるSHBは最高級のグレードです。

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粒は小さ目。酸味と甘味両方を兼ね備えている豆なので、どちらの特徴を強く出したいかによって焙煎度が変わります。

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今回はやや深めに。二ハゼを聞いてから冷却。深めに煎っても苦みが強くなりすぎないのが長所です。

 

ニカラグア マラゴジッペ

カリブ海と大西洋に挟まれた中央アメリカに位置するニカラグア。

日本の1/3ほどの面積で、50万強の人口の4割が農作物の生産に携わっています。

主な農作物はコーヒー、バナナ、サトウキビなど。肥沃な火山灰性土壌は良質なコーヒーを育てます。

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コーヒーの原種に近いティピカ種の突然変異で生まれたといわれるマラゴジッペ種。別名エレファント・ビーンズと呼ばれているとても大粒な豆です。生産量が少ないため、価格は高めですが味わいは大きさに比例して大雑把な感じ。

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大味なのでその柔らかさを活かして、マイルドになるように焙煎。イチハゼは火力を落としてじわじわと中まで熱を通し、ニハゼ直前の、柑橘系の酸味をわずかに感じる位のところで煎り止め。

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右が一般的なサイズ。左がマラゴジッペ。

余談ですが、このマラゴジッペ種とパカス種をかけ合わせたパカマラ種は、味、見た目共に評価の高い品種です。

ペルー・マチュピチュ

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南米のペルー共和国は国土の2/3が森林で、中でも湧水の豊富な地域(チャンチャマイヨ、クスコなど)でコーヒーが生産されています。

全体的に癖のない味わいのものが多く、深煎りでもいやみなく飲める豆です。

マチュピチュはJAS認証のオーガニック。生豆はきれいで欠点豆も少なめでした。

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今回はエスプレッソ用の豆のご注文に合わせて焙煎。苦みが出やすいため、焼きすぎないように気を付けました。

本場イタリアのエスプレッソでいえばナポリやシチリアなど南部よりのボディの強い味わいをイメージしました。

ハワイ・コナ

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生産量の少なさと、人件費の高さでかなり高額な取引がされているハワイ・コナ。

標高200~300mと、コーヒーの生産地としては特殊な環境ですが、肥沃な火山灰性土壌と海風で品質の高い豆が作られています。

水分を多く含んだ実は甘みが強くすっきりとした味わいが特徴。

生豆の等級は欠点豆が含まれる割合によって格付けされます。

品質の高いものから「エクストラ・ファンシー」「ファンシー」「セレクト」と続き、ピーベリーは「No.1」と「プライム」にわかれており、「プライム」までがハワイコナコーヒーと呼ばれます。

「プライム」より下の等級の生豆は、コナ地区で生産されていても”ハワイアンコーヒー”と呼ばれて区別さているそうです。

ハワイではハワイ島の他、オアフ島、カウアイ島でもコーヒーが生産されていますが、コナだけがずば抜けて高くなっています。

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今回焙煎した豆はセレクトで、虫食いが多くハンドピックに時間がかかりました。2kg中250を廃棄。かなり気を使う豆でした。

未熟豆やカビ、割れ豆等は全くと言って良いほど混入していないため、かなりきれいな状態に持って行けたと思います。

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焙煎は中煎りで1ハゼ後火力を落として1分ほど待ってから冷却。

膨らみ具合はとても良く、皺の伸びも良く、手ごたえがありました。味わいはフルーティで甘みがありとても美味しい。

さすがにハワイコナだなあという印象です。

焙煎後再度ハンドピックして定期便のお客様に発送。

※通常の販売は行っておりません。