焙煎記録:ブレンド「黒南風(くろはえ)」

6月の定期便ブレンド「黒南風」

梅雨時期に吹く南風のことです。空が黒いから黒南風。その中でも特に強い風を荒南風(あらはえ)、梅雨明けに吹く風を白南風(しろはえ)と言うそうです。

黒い南風、珈琲にイメージを重ね合わせて、低気圧の生まれるアジアの豆だけを使ったブレンドです。

・東ティモール エルメラ県 レテフォホ

・パプアニューギニア シグリAA

・パプアニューギニア トロピカルマウンテン

・バリ アラビカ 神山(しんざん)

の4種類を使いました。

東ティモールのマイルドさをベースに、パプア2種のフルーティさ、甘み、にバリの濃厚さを加え、熱と湿り気を帯びた熱帯の風をイメージしました。

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写真は、パプアニューギニア トロピカルマウンテン。日本初上陸の豆です。詳細は豆のご紹介にてご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

パプアニューギニア トロピカルマウンテン

総合商社兼松さんが、パプアニューギニアのコーヒー産業の政府機関である「Coffee Industry Corporation LTD」通称「CIC]と

7年越しに共同開発したプライベートブランド「トロピカルマウンテン」です。

生産者と流通者の長年の努力の結晶です。

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今回焙煎した分はパースト(昨年度収穫分)でやや水分が抜け乾いていましたが、粒は大きくとてもきれいな豆です。

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焙煎はミディアムで。一ハゼ直前の香りの膨らみが素晴らしく、濃厚な甘みを感じさせました。

トロピカルマウンテンという名の通りの豆だなあという印象。

パーストでも軽やかな酸味がしっかり残っていて、一口目のインパクトは強く、フルーティな酸味がほんのり抜け、後味の引きの良いすっきり感もありました。

後味の引きの良さで全体の印象はマイルド。同じパプアでもシグリとはまた違った魅力がありました。

秋入荷予定のニュークロップではもっとフルーティさが強く出てくれそうで、コンテナの到着が待ち遠しい豆です。

グァテマラ アンティグア ラ・ホヤ農園

 

APCA(アンティグア生産者組合)主催のカップコンテストで二位を獲得した高品質な豆です。

ラ・ホヤとはスペイン語で「宝石」を意味し、農園内には鹿が生息し、時にはピューマも姿を現すという野性味溢れる産地です。

標高は1600m~1900m、山合いの美しい農園にいつか訪れてみたいと思いを募らせています。

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ハンドピックの必要がないくらいきれいな状態でした。水洗加工がしっかりしていて、焙煎時のチャフも少なかったです。

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焙煎は、二ハゼと同時に終了。酸味を殺さずすっきりめに仕上げるため余熱もほぼ使わず。グァテマラらしいフルーティな香りを放っています。

予想より酸味が控えめでフレンチプレスでもいやみなく飲めるすっきりした味わいになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コスタリカ アキアレス

コスタリカは中央アメリカ南部の、南太平洋とカリブ海に挟まれた国です。

コスタリカというのはスペイン語で豊かな海という意味を持ちます。スペインからの独立ののちは、ラテンアメリカでもっとも長く民主主義が続いているの安定した国家です。

アキアレス農園はカルタゴ州トリアルバという地区にあります。

農園内には4つの湧き水と31の水路が整備され、潤沢な水が確保できることで品質の良いコーヒーが生産されているとこのことです。

土地を住民に寄付するなど、地域コミュニティに利益を還元していることが評価され、RA(レインフォレストアイアランス)認証を受けています。

標高は900m~1200mとコーヒーの産地としては低地にあり、豆は酸味が少なくマイルドで柔らかい印象があります。

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生豆はグリーンが強めで、粒はそれほど大きくありません。加工はウォッシュドで、欠点は少なくきれいな豆でした。

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焙煎は二ハゼを聞いて火を止め、余熱でさっとはぜさせてから冷却。

シワの伸びがよく、余分な焦げも出ず、豆面の良い仕上がりとなりました。