パプアニューギニア ピーベリー

パプアニューギニアはオーストラリアの北、赤道のすぐ下に位置する島国です。

コーヒー豆の生育には、昼と夜の寒暖の差(気温差)が欠かせないものですが、パプアニューギニアは、「一日で一年の気候を繰り返す」といわれるほど変化に富んだ環境で、コーヒーの栽培にはとても適していると言われています

今回焙煎したのは、ピーベリー。

ピーベリーとは、コーヒーの木の先端部分になる実のことで、丸っこい形が特徴です。

通常は一つの実の中に、二つの種子(コーヒー豆)が向かい合うような形で入っているのですが、ピーベリーは一つしか入っていません。そのため、「コーヒーのひとりっこ」と呼ばれたりもします。

一本の木から収穫されるピーベリーの量は大体全体の一割くらいです。

IMG_3369

丸い形。ころころしていてかわいらしいです。しっかりウォッシュドされていてチャフは少なく、欠点豆もほぼなし。

IMG_3370

イチハゼ直前の香りが素晴らしいです。前にパプアを焙煎した時にも同じことを感じたので、かなりはっきりした特徴だと思います。生豆の時から粒が大きいなあと思っていましたが、膨らみが素晴らしく、ピーペリーとは思えない迫力のある仕上がりです。

イチハゼは控えめ。いったん火力を落とします。苦みが出すぎないようニハゼ前に火から外して、余熱でややゆっくり仕上げます。甘みのある酸味が出たジューシーな味わいだと思います。

 

 

 

 

 

焙煎記録:ブレンド「水脈(みお)」

8月の定期便ブレンド「水脈(みお)」

<水脈の果て炎天の墓碑置きて去る>

俳人金子兜太さんの句から。

南方のトラック島で終戦を迎え、島を去るときに読んだ句とのこと。

–自分はここで一死んだようなものだ。墓碑をここに置いていこう。残りの人生は戦争のない国をつくるために尽くそう。

という思いを読んだ句だそうです。

ブレンドに、これからも戦争のない日々が続きますように、コーヒーの生産国で続く内戦や紛争が早く終わり、小さな子どもたちが学校にも行けず働いたり、飢えたりすることがなくなりますように、という思いを込めて。

IMG_3299

ブレンドのベースのホンジュラスHG(ハイグロウン)。やや乾燥しています。粒は大きめで揃っています。

IMG_3300

苦味が出すぎないよう、2ハゼの始まりまで強火でいっきに煎りあげます。味わいはとてもマイルドで癖がない感じ。

IMG_3302

インドモンスーン。淡い黄色のきれいな生豆。ほうじ茶のような香ばしさが特徴。

IMG_3303

隠し味で香ばしさを。こちらも強火でさっと煎ります。からからに乾燥している(わざと)豆なので焼き時間も短いです。

IMG_3304

エチオピア イルガチェフェG1。ナチュラル精製で、甘酸っぱい珈琲の果肉の香りが残っています。G1haはやり欠点豆が少なく、粒の揃いも良く焙煎しやすいです。

IMG_3306

1ハゼ後すぐに冷却。さわやかさと甘味をミックスしていきます。煎り上がりの豆面はやはりモカ。しっかりハンドピック。

IMG_3308

3種の豆のブレンドです。モカの香りはやや抑えられていますが、甘みはしっかり引き出されて、ホンジュラスの苦みの後に甘さが余韻になって出てくる。面白い味に仕上がりました。