エチオピア モカシダモG4

エチオピアはコーヒーの原産国と言われています。
他の生産国と違い植樹された苗木ではなく、
古くから自生していた原種(在来種)が受け継がれていて
その特徴であるフルーティな香りと澄んだ酸味が世界中で愛されています。
シダモというのは地区の名前です。
この地域に住んでいたシダマ族にちなんで名づけられました。
G4というのはグレードで、G1がいちばん等級が高く、G4はずいぶん低い等級です。
欠点豆(虫食いや割れ欠けなど)が多く、豆面もあまりきれいではないので
一見出来の悪い豆、と思われがちですが、
この欠点豆をじっくり丁寧にハンドピック(取り去る)すると、
香りはそのままに、酸味は柔らかな、とてもまろやかなモカに大変身します。
仕入れた生豆の3~4割近くを捨ててしまうことになり、
また手間もかかるので、一般的にはあまり流通していないと思いますが、
モカに関しては等級が全てではないと思っています。

2017.12定期便第1便モカシダモG41

精製のばらつきから、発酵豆が多く、割れ欠けも多い。商品として仕上げるにはかなりのハンドピックが必要。

今期のクロップは粒は大きくて感触はいい。

2017.12定期便モカシダモ2

焼き上がりにさらにハンドピック。イチハゼにかかる時間もかなりばらつくので、煎りすぎないよう早めに仕上げて、

ハゼきってない豆を取り除いていく。

G1、G2あたりと比べて、香りはそれほど変わらない。酸味が落ち着いて、まろやかなモカになる。

手間さえ惜しまなければとても美味しい豆だと思う。

 

カメルーン ジャバ ロングベリー

カメルーン ジャバ ロングベリー

カメルーンは、アフリカ大陸の西側の赤道直下、 北大西洋と南大西洋のちょうど中間に面した共和国です。

旧ドイツの植民地時代を経て、フランス、イギリスによって分断されたのち、 1972年に独立を果たしましたが、いまでもヨーロッパの経済、文化が色濃く残っています。

サッカーの強国として知られており、アフリカの中では豊かな国というイメージもありますが実際の経済規模は佐賀県と同じくらいだそうです。

この豆はカメルーンの西部の高地で栽培されています。

単一の農園ではなく、カプラミ生産協同組合という組織が小規模農家で収穫された豆を 集売しています。

ジャバというのは品種名です。

インドネシアのジャワ島で栽培されていた、昔ながらのティピカ種がヨーロッパに渡り、 ドイツ人宣教師によって1913年にカメルーンに持ち込まれたと言われてれています。

生豆の形がやや縦長なので、ロングベリーと呼ばれています。

1980年代後半から1990年代半ばにかけて、価格の下落と政府の農業支援廃止により コーヒー産業は崩壊寸前となりましたが、

農家にとって持続的に生産できる農作物だったため政府の援助なく、全くの自然農法によって作り始めたことにより、復活を遂げました。

いまでは、カカオと並びカメルーンの主要な輸出品として 重宝されています。

アフリカの豆としては、酸味は少なく、甘みとコクがあります。

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粒は大きめでフルウォッシュド。欠点豆は、虫食いなどは少ないけれど、精製時の機械由来のもの?傷がそこそこある。

スクリーンは揃っていて全体としては状態は良好。

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イチハゼのあと火力を落として二ハゼぎりぎりまで焼く。焼きムラはほぼなく、焼き上がり後のハンドピックが楽。

味わいは、酸味が全くなく、コクが強く甘みもある。

 

ザンビア NCLL農園

アフリカ中南部の内陸にあるザンビア。

地理的にはコーヒーの栽培に適しているのですが、干ばつに備えるための設備がなかったり、大規模農園でも銀行からの長期的な融資が受けられなかったりと、なかなかコーヒー生豆が輸出産業として成立してきませんでした。

この豆は、2012年に、元国営農場の枯れた木をすべて植樹しなおし、ようやく輸出にこぎつけたものです。

まだまだ新しい農園の、若い木のから収穫された豆です。

コーヒーは収穫出来るようになるまで3年かかりますので、まだ2年目の豆、ということになります。

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ハイブリットと、アラビカの混栽です。

形は丸く、大粒で、ロブスタの特徴がはっきりと出ています。

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テスト焙煎ではハイくらいにしてみましたが、酸味がきつめでガスがとても多いので

今回はもう少し深めに。2ハゼ直前で煎り止めです。

やや薄めのドリップのほうが個性がわかりやすく、きりっとした酸味に、アフリカらしい濃厚な風味が加わっています。

 

 

 

ケニア キアンブ地区 レッドマウンテン ティンガティンガ農園

ケニアは、アフリカの中東部に位置しています。

コーヒー発祥の地と言われるエチオピアの隣にありますが、コーヒーの栽培が始まったのはエチオピアより200年ほど遅く、宣教師によって伝えられたとされています。

今回のレッドマウンテンはケニアの首都ナイロビより北約30Kmに位置する北キアンブ地区にあるティンガティンガ農園で生産されています。

ここはケニアの中でも古くからコーヒー栽培が行われている地区です。

キクユと呼ばれる赤土の土壌からこの名前が付きました。

丁寧に完熟した実だけをハンドピックした直後に精製、そしてより完璧な乾燥状態を得る為、ドライテーブルにて天日乾燥されます。

ボディがしっかりしていて、ほど良い酸味もあり、ちょっとスパイシーな風味はビールに例えるなら辛口ドライ、といった感じです。

今回のクロップはとても出来が良いと思います。ごつごつとした豆肌も力強さを感じます。

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虫食いやカビなどはほぼなく、変形豆がやや多いですが、これは収穫か精製時に付いた傷かと思います。

焙煎後のピックでは殻豆がややありました。

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火力強めでイチハゼまで持って行き、ハゼたらすぐに最弱火にして1分ほど回し、火を止めて余熱でさらに1分ほど。

からっとした仕上がりと、ごつごつした豆肌のワイルドさが好もしい豆です。

 

ブルンジ カルシ ブルボン

アフリカ中央部に位置するブルンジの、カルシ地区で生産されているブルボン種の豆です。

ブルンジは、1920年代のベルギー植民地時代にコーヒーの栽培がはじまり、農家は一軒につき最低でも50本のコーヒーノキを植樹するよう

強制されていたそうです。

1960年代に独立を果たしたものの、政情は不安定で、コーヒーが輸出産業として機能するようになったのは1990年代になってからだそうです。

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生豆はフルウォッシュドで虫食いなどはほぼなく、状態は良好です。

精製過程でのキズ?があるものをピックしているとかなり弾くことになりますが、ピックは楽なほうです。

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強めの火力でイチハゼまで煎り、火力を落としてハゼが終わるのを待ち、さらに、ニハゼ手前まで中火で仕上げます。

豆面はあまり良くなく、ざらざらとした質感と、細かい模様が浮き出る感じ。

味わいは濃厚でボディが強く、コクと甘味に酸味、ととても奥深い。渋味も多少でるため、コーヒーエキスを抽出してお湯で延ばす方が

長所を活かせるかもしれません。

 

タンザニア ンゴロンゴロ農園

タンザニア ンゴロンゴロ農園 ケニアとの国境に近い、キリマンジャロ山麓のアリューシャ地区にある農園。

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苦みが少なくきりっとした酸味が特徴。  粒が大きく欠点豆は少なく、ハンドピックはしやすいです。

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イチハゼまでは火力強め、ハゼてから弱火で2分ほど。ニハゼの前で煎り止め。

チャフがしっかりついているので冷却後にもみながら落とします。 モカ系と比較すると香りにフルーティさはなく、きりっとした酸味。

やや深めに焙煎したので苦みとコクもまずまず出ていると思います。

マラウイ ミスク チノンゴAA

マラウイはアフリカ南東部の内陸にある小さな国です。

面積は日本の1/3くらい。国の一割程度しか電気も通っていない途上国です。

国全体が高原のような場所で、世界遺産にも登録されているマラウイ湖が国土の20%を占めています。

内陸なので、農作物の輸出にはハードルが高いはずですが、近年は良質なコーヒーが世界へ広がっています。

政府がコーヒーの輸出に介入しない方針のためバイヤーが自由に買い付けに行ける、直接売り手と買い手が交渉できる環境があるのが成功の秘訣だそうです。

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フルウォッシュドの記載があるけれど、ナチュラルか?と思うくらいチャフがしっかりついています。

スクリーン18UPのわりには小粒な感じ。ただ、ハンドピックは丁寧にされていて、虫食い、発酵、カビ等の不良豆はほぼなし。

とても状態が良いです。

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弱火で長めに焙煎。中深煎りまで。ハゼは抑えたので焼き色のわりには浅かもしれません。

柔らかだけど主張する酸味を、豆の持つ甘みが包み込むような味わい。コクもしっかりしていてとてもいい感じです。

しばらくハマりそうな豆。