2012年11月2日
国境を越えて一夜が明けました。
この日はシェムリアップから近いアンコールワット遺跡群を見学。
宿の方にトゥクトゥクのドライバーさんを紹介して頂き半日お付き合いしてもらうことになりました。
事前に写真集やガイドブックで見ていた遺跡の中から、行ってみたい場所をピックアップして、ルートを作り、1ヶ所につき1時間~2時間くらいのペースで周りました。
特に遺跡好きってこともないので知識もあまりなく、世界遺産なのね、すごいね。ちょっと見てみようか・・というくらいの興味でしたが、実際に見ると面白い。
アンコールワット遺跡群にはヒンズー教のものと仏教のものが混在しているのですが、心を惹かれるのは仏教の遺跡のほうでした。
歴史的な興味より写真の被写体として面白く、たくさん写真を撮ってきました。
最初はアンコールワット。いちばん有名な寺院・・・なのかな?
トゥクトゥクに乗って町を抜け20分ほど走ります。
1時間後に戻ることにしてひとりで中へ。ひ、ひろい。1時間で見終わるのかしら。とりあえず急ぎ足で中へ。
アンコールワット遺跡群はほとんどが白灰黒色で構成されています。
そのせいかTVや写真集で見ていたときはのっぺりした印象を持っていたのだけど、実際に見るととっても複雑な立体感があります。
階段や回廊が多いし、とにかく細かい。写真を撮っていて思ったのは光と影の立体感とはまた別の立体感があるということ。
その立体感を写真で写し出すのってけっこう難しいんだなあと思いました。
回廊のレリーフ。内容はわからないけれどゆったりとした流れを感じます。大きいものって畏怖を感じることが多いですが、ここには圧迫感のようなものはぜんぜんなくて、落ち着く。
細やかな奥行き、みたいなものを切り取りたいなあと思うけど、写真って難しい。だから楽しい。
アンコールワット遺跡に感じるのは欠落の美というか滅びの美というか、日本の近代文学の中にあるそこはかとない退廃に共通するなにか。
淡々と朽ちていく、わびさび、というにはまだ時間が足りてなくて、ひとの動いた跡、戦争とか動乱とかそういったものに捻じ曲げられて失われた退廃の美。
というのが、ぜんぜん歴史を知らない私の勝手な印象。
ひとつ目の遺跡は駆け足過ぎてゆっくり出来なかったので次のアンコールトムはもう少し時間をとってゆっくり見てきました。
次回も遺跡めぐりが続きます。よろしくお付き合い下さいませ。