8月の定期便ブレンド「水脈(みお)」
<水脈の果て炎天の墓碑置きて去る>
俳人金子兜太さんの句から。
南方のトラック島で終戦を迎え、島を去るときに読んだ句とのこと。
–自分はここで一死んだようなものだ。墓碑をここに置いていこう。残りの人生は戦争のない国をつくるために尽くそう。
という思いを読んだ句だそうです。
ブレンドに、これからも戦争のない日々が続きますように、コーヒーの生産国で続く内戦や紛争が早く終わり、小さな子どもたちが学校にも行けず働いたり、飢えたりすることがなくなりますように、という思いを込めて。
ブレンドのベースのホンジュラスHG(ハイグロウン)。やや乾燥しています。粒は大きめで揃っています。
苦味が出すぎないよう、2ハゼの始まりまで強火でいっきに煎りあげます。味わいはとてもマイルドで癖がない感じ。
インドモンスーン。淡い黄色のきれいな生豆。ほうじ茶のような香ばしさが特徴。
隠し味で香ばしさを。こちらも強火でさっと煎ります。からからに乾燥している(わざと)豆なので焼き時間も短いです。
エチオピア イルガチェフェG1。ナチュラル精製で、甘酸っぱい珈琲の果肉の香りが残っています。G1haはやり欠点豆が少なく、粒の揃いも良く焙煎しやすいです。
1ハゼ後すぐに冷却。さわやかさと甘味をミックスしていきます。煎り上がりの豆面はやはりモカ。しっかりハンドピック。
3種の豆のブレンドです。モカの香りはやや抑えられていますが、甘みはしっかり引き出されて、ホンジュラスの苦みの後に甘さが余韻になって出てくる。面白い味に仕上がりました。