2012年11月7日
次に連れて行ってもらったのはここ。
コピ・ルアックを作っているコーヒー農家兼カフェです。看板には「KIET TUONG LIQUOR」と書いてあるので酒屋さんなのかも。でも普通の酒屋さんにも見えない。
「コピ」というのはインドネシア語で「コーヒー」、「ルアック」というのは「マレージャコウネコ」を指します。完熟したコーヒーの実を食べたジャコウネコの糞から、消化されずに出てきた生豆を集めたものを「コピ・ルアック」と言います。まあひとことで言えば・・・う○こコーヒーですね!
なんでそんなものを?と思われるかもしれませんが、この豆、じつは超高級品なのです。
ジャコウネコが完熟した美味しい実だけを選んで食べること、消化の過程でジャコウの香りが実に移りることによって独特の香りを持つ珈琲になること、少量しかとれないこと、などから幻のコーヒーと呼ばれたりもします。
日本で、焙煎されたものを買うと100gで5000~7000円くらいします。ちょっと高すぎだと思う。
野生のジャコウネコの糞を畑から集めてくるのが本来のコピ・ルアックなのですが、良い収入源になるため、最近はジャコウネコを飼育してコーヒーの実を食べさせ、糞を集めている養殖のところも多いようです。
連れて行ってもらったのも飼育農家のひとつで、観光客の立ち寄りスポットにもなっているらしく、私のほかにも外国人のお客さんが数組来ていました。
いきなり入り口にででーんと天日干ししてあります。
ほんとにそのままのカタチ。食べすぎじゃない?と言いたくなるくらい生豆がみっちり・・おこしをでっかくしたみたいな・・・
こちらは天日干ししたあと、きれいに水洗して、再度干してあるところ。最終的には200度くらいの高温で煎るので、衛生的には問題ないと思うのですが、気持ち的にダメというひともいますよね~。
飼育場のジャコウネコたち。全部で10頭くらいで、それほど大きな規模ではないようです。
手並みはつやつやしてます。なかなか凶暴な性格のようで、金網に近づくと威嚇されました。
餌として与えるのは、きれいな大粒の実だけ。
これだけあれば・・・末端価格にして幾らくらいになるんだろう・・・笑
飼育小屋のすぐ横にカフェスペースがあり、ライダーさんと一緒に休憩。飲んでいるのは普通のコーヒーです。
コーヒーの前にサービスでお茶が出てくるのですが、ライダーさんは慣れた手つきでお盆のグラスにお茶を注ぎ、おもむろにコップをゆすいで裏の畑にバシャっと。
え?汚いの?わたしそのままお茶注いで飲んじゃったんですけど・・・
こういうことは旅の間なんどかありまして、器やグラスがちょっと汚れている気がしても、あからさまに拭くのは失礼なのかな?と思ってしまい、そのまま飲み食いしちゃうわけですが、隣の席に座った現地のひとがいきなりティッシュを出して取り皿を拭きだしたり、お箸を拭きだしたりすると、ああしまった!と後悔するのです。でも結局いちどもおなか壊さなかったから、ま、いっか。そういえば、ペットボトルや缶を買うと必ずストローが付いてきます。日本ではそのまま飲むからこれも気にならなかったなあ。ほとんど使わなかったです。
カフェの裏手で炭火で焙煎をしているひとを発見!ここの店主さんなのかな。写真を撮っても良いですかと訊ねると、照れ笑いしながら急に背中をピシッと伸ばすおじさん。ハンモックに座って焙煎ってちょっと優雅ですね。暇な時はここでお昼寝してるんだろうな~。
この焙煎方法はとても興味深かったです。大きめの七輪で炭火焼き。むらが出ないよう熊手のような棒でずっとかき混ぜています。高地なので気温もそれほど高くないし、火力から考えるとかなり時間がかかりそうですね。1~2kgを一度に焼いているようなので、40分くらいかかるんじゃないかなあ。深煎りだともっとかかるな。
店頭ではコーヒーを販売していました。
コーヒー以外にもこんなものも売っています。
なんかいろんな種類の蛇が一緒くたに漬けられてるお酒・・・・蛇だけじゃなくて、白目むいてるでっかいトカゲとか、なんかの幼虫みたいなのも漬けられてるよ・・・
まとめると、民家風の建物に、カフェとジャコウネコの飼育場、焙煎所、物販スペースが詰め込まれていて、庭にはアヒルやニワトリ、鳥(名前わからない)、犬、がたむろっていて、庭の向こうは広いコーヒー畑。 なんだかとってもカオスな場所で面白かったです。
コピ・ルアックは数年前に一度飲んだことがあるのですが、かすかに香水のような香りがする・・・気がする??んん?という感じでした。
豆自体の品質が良いし、美味しいのですが、感動する!というほどのものでもないような・・・気軽に買える値段じゃないのでなんだかありがたみのほうが先に立って客観的に判断しづらいというか・・・・(頂き物だったので余計に・・)
ジャコウネコだけでなく、イタチコーヒーやタヌキコーヒーだったり、アフリカにはモンキーコーヒー、タイにはゾウコーヒーなんてのも存在します。ここまでくると、あんまり飲みたいとは思わないですけど笑
ロブ・ライナー監督の「最高の人生の見つけ方」という映画にもコピ・ルアックは登場しています。
「余命6ヶ月を宣告された二人の男(ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン)が、死ぬ前にやり残したことを実現するために二人で冒険に出るハートフル・ストーリー。」wikiより
とwikiの説明そのまんまの内容なのですが、なかなか良い映画でしたよ~。
次回はコーヒー農園の写真をもう少しアップします。ダラットもうちょっと続きます。