4月の定期便ブレンド「海市(かいし)」。蜃気楼のことです。
今回のブレンドのベースにするパナマ ゲイシャ。ゲイシャとは品種の名前です。栽培が難しく希少な豆のため、価格も高くなかなか手に入りません。さわやかな香りと個性的な風味を持っています。
パナマには大きな火山があり、霧が発生しやすい環境にあるため、気温の上昇が抑えられ水分をたっぷり含んだ良質なコーヒー豆が育ちます。ゲイシャ種ですっかり有名になったパナマですが、カツーラ種、カツアイ種、ブルボン種、ティピカ種などさまざまな品種の豆が栽培されています。
さわやかさを消さないよう、やや浅めの中煎り。豆が大きく形がはっきりしていて、個性的です。
次に、エチオピア モカ・ハラー。こちらは小粒でお米のように両端をきゅっと絞ったような形。フルーティな香りがはやなかです。
焙煎は中煎り。2ハゼを聞くか聞かないかのところで煎り止め。酸味はありますが舌に残るようなきついものではなく軽やかです。
タンザニア アデラ ブルカ農園
最近豆の質があまり良くないと言われているタンザニアですが、私の印象ではそんなこともなく、状態良好です。パナマゲイシャとモカハラー、タンザニアの3種でさわやかさを強調した土台を作りました。
土台を作った後は、バランスを整えるためにおとなしめの豆を加えます。今回はインドネシアアラビカAA。好き嫌いの出にくいベーシックな豆です。中深煎りで少々苦みも出します。
最後にオーガニックの甘みを加えるために東ティモール エルメラ県 レテフォホ。甘みが強く粒揃いのきれいな豆です。
5種類すべてアフターミックス(別々に焙煎してからミックスする)です。全体として、香り、酸味、甘みのバランスがよく、余韻に柔らかな苦みのあるブレンドに仕上がりました。