焙煎記録:ブレンド「冬銀河」

幻想を濾過する闇も冬銀河  -わたなべじゅんこ

今年最後の定期便ブレンドです。

忘年会やパーティなど集まりの多いこの時期、もたれがちな胃腸をすっきり出来るような珈琲を、と思い

浅煎りのジャワロブスタWIB、インドモンスーン、タイチェンライ、などを使い、薬草茶のような雰囲気に仕上げました。

ロブの味が苦手な場合は、ジンジャーパウダーと黒糖を加えると美味くなります。

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・タイチェンライ オリエンタルファズ

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2ハゼが聞こえてから火を止め、余熱で少々深めまで持って行きます。

 

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・パプアニューギニア シグリAA

頂きものの極上シグリ。しっとり重くみずみずしい生豆、300gで欠点豆3粒という優秀さ。

少量なので味を整えるために使います。

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2ハゼ直前で煎り止め。余熱で軽くハゼを聞いてから冷却。

 

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・インドモンスーン 黄金色といわれる白さの際立った生豆。

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香ばしさが特徴。今回のメインに。

 

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・ジャワロブスタWIB

久しぶりにロブをしっか投入。浅煎りでほうじ茶のような黄粉のような風味を出します。

焙煎後を撮り忘れました。

 

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・マンデリンG1

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いつもは極深煎りで甘みを出しますが、今回は中浅煎りで。

浅く焼いたマンデリンは柑橘系の香りがほのかに香ります。

 

<出来上がり>

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すべてアフターミックス。

湯温が低めだとロブの酸味が出やすくなるので、高温でさらっとドリップするのがおすすめです。

熱々がいちばん美味しいと思いますが、冷め切ってからの甘みも捨てがたいです。

今年一年、浮空を支えてくださったお客様に感謝を込めて。

みなさま良いお年をお迎えください。

 

多謝 浮空

焙煎記録:ブレンド「時雨」

初時雨猿も小蓑を欲しげなり 芭蕉

11月の定期便ブレンドの焙煎。5種類の豆を使いました。

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コロンビア サンペドロナリーニョ

コロンビア南部のナリーニョ県サンペドロ市の5つの農家だけの豆を集めたマイクロロットの生豆。

エキセルソ(小さめの豆)ながら、しっかりした粒揃い。

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2ハゼまで聞いてから冷却。ボディを引き出します。

 

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グァテマラ サントトーマス パチュージ農園

アティトゥラン火山とトリマン火山にはさまれ、アティトゥラン湖周辺に位置する森の中に囲まれた農園。

近々自然保護区の認定を受ける予定の恵まれた環境にあり、RA認証を受けています。

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こちらも強めのボディを狙って、2ハゼまで聞いてから冷却。

 

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パナマ ボケテ バルインディ

人気のパナマ。粒が大きく揃っていて、とてもきれいに水洗されています。

マイルドな味わいなので、今回のブレンドはこの豆をメインにしました。甘みが立っていていい豆です。

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豆面はあまり良くないのですが、味わいは抜群。1ハゼで煎り止め。フレッシュさを残した焙煎に。

 

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エチオピア モカハラー ボールドグレイン

長細い小さ目の豆で豆面は厳しいですが、濃厚なモカフレーバーがアクセントになります。

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イエメンモカ イエメニ

ランクは低めの極小の粒ですが、その分モカらしいフレーバーが突き抜けています。

ハンドピックできるレベルを超えているので(本気でピックしたら1割くらいしか残らない・・・)

あえてそのまま焙煎。

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この2種類をプリミックス(生豆でミックス)し、浅く煎って隠し味にしました。

少量しか配合していないのに、仕上がりはモカブレンド、という感じ。パナマの甘みとマッチしています。

 

 

 

焙煎記録:ブレンド「色鳥」

10月の定期便ブレンド 。

ブラジルサントス ショコラをベースに、

グァテマラ クプラ農園、コロンビア ウィラ、の3種類をブレンド。

王道のベーシックな味わい。クプラの香りが群を抜いていて良いアクセントになっています。

写真

ブラジルサントス ショコラ。

ブレンド色鳥4

一ハゼ後余熱で少し置いてから冷却。苦味は強めに出るので焦がさないよう注意しつつ。

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クプラ。とてもきれいな生豆。

ブレンド色鳥2

香りを逃がさないよう、一ハゼで煎り止め。焼き上がり直後の豆の味が素晴らしかった。

ブレンド色鳥3

ウィラ。コロンビアの保護原産地指定の地区の農園。さすがにきれいな豆。

焼き上がりの写真撮り忘れましたが、二ハゼ始まるぎりぎりのところで煎り止め。

 

 

 

 

 

 

 

焙煎記録:ブレンド「花眠」

風狂ふ桜の森にさくら無く花の眠りのしづかなる秋  水原紫苑

9月の定期便ブレンド。

パナマ、イエメンモカ、タイチェンライ、マンデリンの4種。

・パナマ ハートマン ティピカ WINNEY

ブレンド花眠1

果肉がついたまま天日干しすることにより、甘酸っぱいドライフルーツのような香りがします。色も茶色く皮が残った状態。

ブレンド花眠2

甘酸っぱい発酵臭を消さないように、1ハゼ後すぐに冷却。色ムラがあります。酸味も特になく、しっかりした乾パンのような味わい。

・イエメン モカ エリヤニ

ブレンド花眠3

ハンドピックに時間のかかる豆ですが、こちらもフルーティな香り。パナマとの相乗効果を狙っています。

ブレンド花眠5

酸味が強く出ないよう、2ハゼ直前まで焼きます。

・タイチェンライ

ブレンド花眠7

今回のブレンドはナチュラルづくしで。いつもながらきれいで欠点豆の少ないタイ。

ブレンド花眠8

2ハゼピークで冷却。シングルでも十分実力のある豆ですが、マイルドさと甘みはブレンドのかなめにもなります。

・マンデリンG1

ブレンド花眠9

欠点豆が多く、安定していないマンデリン。最近価格の高騰により、良いマンデリンが出にくくなっていて困っています。

G1でもけっこうばらつきがあります。

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2ハゼまでしっかり焼き込みます。ブレンドの配合にはアクセント程度しか使いませんが、ぐっとコクが出て味が締まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焙煎記録:ブレンド「迎え火」

お盆の焙煎となりましたので、「迎え火」と名付けました。

火を焚いてご先祖様をお迎えし、豆に火を入れて焼き、日常と非日常のあわいで夏の夜を過ごしました。

5種類のアフターミックスです。

ブレンド迎え火2

ルワンダ コーパック。

コーパックとは農協のような組織を意味します。小規模農家で生産された豆を地域ごとに集めてから輸出しています。

柔らかくマイルドな味わいの豆です。2ハゼまで聞いてから冷却。

ブレンド迎え火4

ハワイ オアフピーベリー。

ハワイといえばコナが有名ですが、オアフ島で収穫されるものもさっぱりとした味わいで、コナに引けを取りません。

ブレンド迎え火5

2ハゼまで焼きます。前の工房より通気を良くしているので、しっかり焼きこんでも焦げ感が出にくくなりました。

ピーベリーにしては粒が大きいです。

ブレンド迎え火11

ハワイ オアフ。

粒が大きく、茶色味がかっています。

ブレンド迎え火12

同じく二ハゼまで。焼き上がりを食べて見ると、苦みも酸味もなく香ばしさが際立っていました。

ブレンド迎え火14

ケニア マサイ。

粒は揃っていてきれいです。アフリカ高地の豆はどれもそうですが、殻豆がとても多いです。

1ハゼが勢い良すぎて弾けている感じ。2ハゼの始まりで冷却。

※生豆はカテゴリのアフリカのページをご参照ください。

ブレンド迎え火9

マラウイAA  チャカカ。

アフリカ南東部の小さな国です。日本の北海道と九州を合わせたくらいの面積。

近年注目が集まっている国です。

ブレンド迎え火8

酸味がが出るかな、と思いや深めに焼きましたが、思ったより苦みがどっしりしている豆でした。

今回のブレンドはこの豆に味が左右されてしまったかなと思います。もう少し軽めに仕上げても良かったかなと思います。

ブレンド迎え火7

全体として狙いはハワイのさっぱり感にアフリカの香りの高さを加えながら、酸味を抑えた深煎り、でした。

マラウイの苦みにちょっと翻弄されてしまい、やや重めのブレンドになりました。

まだ暑い日が続きますので、冷たい珈琲におすすめかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焙煎記録:ブレンド「打水」

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7月の定期便ブレンド「打水(うちみず)」

アイス珈琲や、珈琲ゼリー、グラニテなどのひんやりデザートへのアレンジを意識したブレンドです。

苦みをしっかり出し、アイスクリームやシロップと併せても香りが立つような配合を考えました。

・コロンビア ナリーニョ

・マンデリン トバコ

・ケニア マサイAA

・エクアドル ガラパゴス

・ジャワロブWIB-1

の5種類を使いました。

ジャワロブは隠し味なので、コロンビアとプリミックス、あとはすべてアフターミックスです。

それぞれに違う苦みを持っているコロンビアとマンデリンを深煎りで、ベースにして、ケニアの香りと酸味を加えました。

エクアドルとジャワロブはアクセントに。

ホットだとやや苦みが勝ち過ぎるので、豆の量を少なめにドリップをおすすめします。

アイス珈琲のほうが本領を発揮すると思います。

 

焙煎記録:ブレンド「黒南風(くろはえ)」

6月の定期便ブレンド「黒南風」

梅雨時期に吹く南風のことです。空が黒いから黒南風。その中でも特に強い風を荒南風(あらはえ)、梅雨明けに吹く風を白南風(しろはえ)と言うそうです。

黒い南風、珈琲にイメージを重ね合わせて、低気圧の生まれるアジアの豆だけを使ったブレンドです。

・東ティモール エルメラ県 レテフォホ

・パプアニューギニア シグリAA

・パプアニューギニア トロピカルマウンテン

・バリ アラビカ 神山(しんざん)

の4種類を使いました。

東ティモールのマイルドさをベースに、パプア2種のフルーティさ、甘み、にバリの濃厚さを加え、熱と湿り気を帯びた熱帯の風をイメージしました。

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写真は、パプアニューギニア トロピカルマウンテン。日本初上陸の豆です。詳細は豆のご紹介にてご覧ください。