喫茶店好きな方なら覚えている方も多いと思う。
北海道、富良野を舞台とした、倉本總氏の脚本のドラマ。(2005年・フジテレビ)
森の中の喫茶店のマスターと息子の関係を軸に、心に重石を抱えてやってくる、さまざまなお客さまたちが一杯の珈琲と緩やかな時間の中で
少しだけこころを軽くして帰っていくという物語。
寺尾總、二宮和也、長澤まさみ、余貴美子らが主演で、一話ごとに訪れるお客さま役の俳優さんが替わり
星野源、田畑智子、小日向文世、小泉今日子など見ごたえのある役者さんが揃っていた。
この喫茶店「森の時計」ではお客さんがカウンターに置かれたミルで自分で豆を挽き、マスターがハンドドリップするという流れになっている。
豆を挽くことでお客さまが呼吸を整え店の中に自分の居場所を確保するこの時間がなんとも美しい。
ずいぶん前にフリーマーケットで見つけて気に入り、よく使っているニワトリ柄のプリントカップ。
このドラマの中で同じものが使われていた。見ていたら見慣れたカップが出てきてびっくりし、うれしかった。
量産品だったので、その後もリサイクルショップや骨董品屋さんやらで同じものを見つけ、結局5客ほどになった。
ここ数年使っていなかったのだが、思い立って出してみたら懐かしくなってこのドラマのことを思い出した。
「森の時計」は実在する。
もともとロケの為に新富良野プリンスホテルの敷地内に建てられた喫茶店だったのだが、撮影終了後そのままホテルが営業しているそうだ。
お客さまがミルで豆を挽くというスタイルもそのままで、ドラマのファンがいまも多く訪れているとのこと。
いつか必ず訪れてみたいと淡い憧れを抱き続けているのだけれど実現していない。