ミャンマー ピンウーリン

東南アジアの共和国ミャンマー。東にラオス、南東にタイ、西にバングラディッシュ、北西にインド、と複雑な場所にあり、主要な少数民族だけでも9民族という多民族国家です。1989年まではビルマという国名でした。

軍事政権が長く、麻薬の栽培が盛んだったゴールデントライアングルを巡っての様々な紛争もあり産業の発展が難しい国でしたが、2008年の憲法改正により非暴力民主化運動の指導者アウンサンスーチー氏の軟禁が解除され、次第に民主化が進んできました。

2012年アメリカがミャンマーへの政策転換(規制の緩和)をしたため、日本でもようやくミャンマー産のコーヒー豆が輸入できるようになってきたようです。

『国の民主化に至る以前の2008年、当時の首都ヤンゴン(旧称ラングーン)でスーパーマーケットを営むオーナーは、世界的にも貧しい国で生産される農産物の多角化と、将来的な貿易商品多様化の一助となるべく、コーヒー生産のための農地を取得。

それまでも細々とコーヒーが生産されていた山間部において、地元のコーヒー研究所の指導を仰ぎながら少しずつ苗木を生産、栽培面積の拡張を進めています。

実際に農園でコーヒーの生産に携わるのは、地元の農業学校を出た若者たちで、
熱心にコーヒーの生産方法を学びつつ、今後の品質向上にも非常に前向きです。

幸運にもこういった生産者と出会うことができた弊社は、品質面ではまだまだ他国に比べ劣るとはいえ、意欲あふれる生産者の意識をより高めたいと思い、彼らが生産するコーヒーを試験的に購入するに至り、2年目を迎えております。』

※『』内は、生豆を輸入している商社、兼松さんの資料より抜粋。

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まだ欠点豆が多く、不安定な粒揃い。

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焙煎は中煎りで。味わいはおとなしめ。特に際立った個性は感じませんが、標高の低い地域特有の淡い酸味があります。柔らかさのあるマイルドな豆です。ブレンドのベースに使うと良いかも。これからの発展と品質の向上が楽しみです。

タンザニアAA オルディアーニ村  グリーンヒル

タンザニアは、アフリカ中央東部のインド洋に面した国です。

アフリカ最高峰のキリマンジャロ山を有していることから、日本ではこの国の豆をキリマンジャロと呼ぶことも多いです。

オルディアーニ村は、タンザニア北部の世界遺産、ンゴロンゴロ保全地域の近くにあります。農園内にゾウが住んでいるそうです。

グリーンヒルというのは、農園内でもっとも質の良い豆が収穫出来るエリアを指す呼び名です。

農園主のBharat C Pate氏lは、タンザニア生まれ、イギリス育ちのインド人だそうです。(どっちかというと紅茶農園主っぽい経歴ですね。笑。)

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小~中くらいの粒。

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焙煎は2ハゼを聞いてから煎り止め。雨の少ないタンザニアの豆は酸味が強いのですが、きりっとシャープな味わいなので、すっきり系が好きな方に向いています。浮空では酸味を抑え気味にするため、やや深めの煎りです。

パナマ ボケテ グラン・デル・バル・ティピカ RA

北米と南米の境に位置するパナマ共和国。

北のカリブ海と南の太平洋に挟まれているこの国はインディオの言葉で「魚が豊富」という意味を持っています。

スペイン、コロンビア、アメリカの統治を経て、1999年に共和国として独立しました。

グラン・デル・バル・ティピカを生産しているのは、RA認証農園Cafetalera Fernandezのリカルド氏。

1946年に、18歳だったリカルド氏は進駐軍として日本に1年間滞在したことがあるそうで、とても親日家だそうです。

ティピカはアラビカ種の中でも原種に近く、野性味ある味わいの豆です。

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粒が揃っていてきれいです。丁寧に水洗されています。

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焙煎は2ハゼ前で止め。1ハゼ直前にになんともいえない甘い香りが漂いました。このタイミングの香りは一瞬ですが、豆のポテンシャルが良く表れると思います。

焼き上がりはちょっとごつごつした岩っぽい肌目です。酸味をしっかり残しつつ、甘い香りが楽しめます。

焙煎記録:ブレンド「黒南風(くろはえ)」

6月の定期便ブレンド「黒南風」

梅雨時期に吹く南風のことです。空が黒いから黒南風。その中でも特に強い風を荒南風(あらはえ)、梅雨明けに吹く風を白南風(しろはえ)と言うそうです。

黒い南風、珈琲にイメージを重ね合わせて、低気圧の生まれるアジアの豆だけを使ったブレンドです。

・東ティモール エルメラ県 レテフォホ

・パプアニューギニア シグリAA

・パプアニューギニア トロピカルマウンテン

・バリ アラビカ 神山(しんざん)

の4種類を使いました。

東ティモールのマイルドさをベースに、パプア2種のフルーティさ、甘み、にバリの濃厚さを加え、熱と湿り気を帯びた熱帯の風をイメージしました。

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写真は、パプアニューギニア トロピカルマウンテン。日本初上陸の豆です。詳細は豆のご紹介にてご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

パプアニューギニア トロピカルマウンテン

総合商社兼松さんが、パプアニューギニアのコーヒー産業の政府機関である「Coffee Industry Corporation LTD」通称「CIC]と

7年越しに共同開発したプライベートブランド「トロピカルマウンテン」です。

生産者と流通者の長年の努力の結晶です。

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今回焙煎した分はパースト(昨年度収穫分)でやや水分が抜け乾いていましたが、粒は大きくとてもきれいな豆です。

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焙煎はミディアムで。一ハゼ直前の香りの膨らみが素晴らしく、濃厚な甘みを感じさせました。

トロピカルマウンテンという名の通りの豆だなあという印象。

パーストでも軽やかな酸味がしっかり残っていて、一口目のインパクトは強く、フルーティな酸味がほんのり抜け、後味の引きの良いすっきり感もありました。

後味の引きの良さで全体の印象はマイルド。同じパプアでもシグリとはまた違った魅力がありました。

秋入荷予定のニュークロップではもっとフルーティさが強く出てくれそうで、コンテナの到着が待ち遠しい豆です。

グァテマラ アンティグア ラ・ホヤ農園

 

APCA(アンティグア生産者組合)主催のカップコンテストで二位を獲得した高品質な豆です。

ラ・ホヤとはスペイン語で「宝石」を意味し、農園内には鹿が生息し、時にはピューマも姿を現すという野性味溢れる産地です。

標高は1600m~1900m、山合いの美しい農園にいつか訪れてみたいと思いを募らせています。

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ハンドピックの必要がないくらいきれいな状態でした。水洗加工がしっかりしていて、焙煎時のチャフも少なかったです。

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焙煎は、二ハゼと同時に終了。酸味を殺さずすっきりめに仕上げるため余熱もほぼ使わず。グァテマラらしいフルーティな香りを放っています。

予想より酸味が控えめでフレンチプレスでもいやみなく飲めるすっきりした味わいになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コスタリカ アキアレス

コスタリカは中央アメリカ南部の、南太平洋とカリブ海に挟まれた国です。

コスタリカというのはスペイン語で豊かな海という意味を持ちます。スペインからの独立ののちは、ラテンアメリカでもっとも長く民主主義が続いているの安定した国家です。

アキアレス農園はカルタゴ州トリアルバという地区にあります。

農園内には4つの湧き水と31の水路が整備され、潤沢な水が確保できることで品質の良いコーヒーが生産されているとこのことです。

土地を住民に寄付するなど、地域コミュニティに利益を還元していることが評価され、RA(レインフォレストアイアランス)認証を受けています。

標高は900m~1200mとコーヒーの産地としては低地にあり、豆は酸味が少なくマイルドで柔らかい印象があります。

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生豆はグリーンが強めで、粒はそれほど大きくありません。加工はウォッシュドで、欠点は少なくきれいな豆でした。

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焙煎は二ハゼを聞いて火を止め、余熱でさっとはぜさせてから冷却。

シワの伸びがよく、余分な焦げも出ず、豆面の良い仕上がりとなりました。