パナマ ゲイシャ ドンパチ農園

パナマ ゲイシャ種 ドンパチ農園。

30年前にパナマにゲイシャ種を導入したフランシスコ・セラシン氏が経営する農園。

知人のお誕生日用にと焙煎を委託されました。この生豆はバッハグループの伝手で、今回少量売ってもらいました。

本家では焙煎豆で100gあたり、2500円前後。通常浮空で販売している豆の約5倍くらいの価格です。

初見で、一発勝負。直火の特徴を生かすためあまり浅くはせず、火力を抑えて長めに焼き、にぶいイチハゼのあと冷却。

明るいきれいな茶色に仕上がりました。

もう少し酸を残しても良かったかな、というところですが、落ち着いた華やかさにコクと甘味が加わり、まずまずの出来です。

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珈琲リキュール

自家製の珈琲リキュールを仕込んでみました。

作り方はとても簡単です。

密閉容器に、ホワイトリーカーとフレンチローストした豆を入れて10日ほど待つだけ。

リカー200mlに、豆30g。

浮いている豆が沈むのを待って、全部沈んだら豆を取り出します。

氷砂糖を10gほど入れると甘いリキュールになります。

今回は砂糖なしで作ってみました。

バニラアイスにかけたり、ミルクで割ったり、珈琲に入れたりといろいろな楽しみ方があります。

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浮空の通販もこの4月で丸4年が経ち、5年目に突入します。

いつもご利用くださっている皆さま、本当にありがとうございます。

これからも精進していきたいと思います。

今後とも浮空をどうぞよろしくお願い致します。

 

 

コロンビア ピコクリストバルSP

ピコクリストバルは、コロンビア最北部のカリブ海に面した

クリストバル・コロン山という山の山麓にある農園で生産されています。
コロン山の南西側の斜面の標高1600~1850mあたりがピコが収穫できるところです。
グーグルマップなどで見てみるとわかるのですが、このあたりは湖がたくさんあって
豊富な山水で精製されているので、とてもきれいな豆です。
やや虫食いが多いのが難点ですが、薄皮が少ないのでハンドピックはしやすいです。
コロンビアはどっしりしたコクと酸味がある豆が多いのですが、
ここの豆はカリブ海気候の豆に近い味わいで(キューバやジャマイカに近い感じ)
甘みがあってマイルドです。
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火力弱めで、時間をかけて焙煎します。焦がさず芯まで熱を通しふっくら仕上げます。
スプレモらしい、大粒の、豆面の良い煎りあがりになります。

 

 

 

 

焙煎記録:ブレンド「紅気」

3月の定期便ブレンド「紅気(こうき)」です。

山口誓子の俳句

桜咲く前より紅気立ちこめて

より名前を拝借。

タイチェンライとペルーをベースに、7種類の豆をプリミックス。焙煎度は中深煎り。

タイが甘みを、エチオピアとバリが香りを膨らませ、ペルーが落ち着いた苦みで味わいをまとめている感じです。

シングルオリジンは、豆の個性や特徴を引き出すことを重視しますが、ブレンドは狙った味に着地させることを重視しますので、同じ焙煎でもそれぞれ違ってどちらも楽しい。

ブレンドが狙い通りに着地した時は、よしっ、とガッツポーズします。

※以下生豆の写真はハンドピック前のものです。記録のために、写真はたいていハンドピックする前に撮ります。

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タイチェンライ オリエンタルファズ。

そろそろニュークロップが来る頃ですので、だいぶ乾燥してきています。今期は粒が小さめで不良豆も多かったですが、甘みは相変わらず安定しています。ひとつ前のロットははシングルで出す事が多かったですが、今期はブレンドのベースと味の中和に大活躍でした。

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バリ インテン デワタ ワイニ―

濃厚な香りがたまらない豆です。甘く、重みのある味わいがアクセントになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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メキシコ クステペックSHG

ちょっとだけ使用したので、特徴はあまり味わいには影響していません。

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コロンビア メサ デ  サントス

有機JASのカトゥーラ種。こちらもちょっとだけなので、味わいにはあまり影響なし。乾いてしまっているので今回のような複合的な味わいのブレンドにそっと加えた感じ。

 

 

 

 

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東ティモール

オーガニックだけど大粒できれいな豆です。こちらも少量。

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エチオピア グジ クオリティ1

豆もきれいだし、華やかで抜けるような香りが特徴。最近の浮空のブレンドには欠かせなくなってきました。シングルだと強すぎる酸味も、カップリングによって驚くほどのまろやかさに変わります。

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ペルーマチュピチュ。

深煎りで真価を発揮しますが、今回はプリなので1段階軽めに。

をまとめる要の役目。

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プリミックス、4kg。今回は10バッチ焼きました。

焙煎前後のハンドピックで4%ほど弾きました。多い時は10%くらいははじくのでまあまあかな。

 

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完成。

甘みがあってバランスの良い仕上がりになりました。

 

 

 

 

 

マラウイ ミスク チノンゴAA

マラウイはアフリカ南東部の内陸にある小さな国です。

面積は日本の1/3くらい。国の一割程度しか電気も通っていない途上国です。

国全体が高原のような場所で、世界遺産にも登録されているマラウイ湖が国土の20%を占めています。

内陸なので、農作物の輸出にはハードルが高いはずですが、近年は良質なコーヒーが世界へ広がっています。

政府がコーヒーの輸出に介入しない方針のためバイヤーが自由に買い付けに行ける、直接売り手と買い手が交渉できる環境があるのが成功の秘訣だそうです。

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フルウォッシュドの記載があるけれど、ナチュラルか?と思うくらいチャフがしっかりついています。

スクリーン18UPのわりには小粒な感じ。ただ、ハンドピックは丁寧にされていて、虫食い、発酵、カビ等の不良豆はほぼなし。

とても状態が良いです。

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弱火で長めに焙煎。中深煎りまで。ハゼは抑えたので焼き色のわりには浅かもしれません。

柔らかだけど主張する酸味を、豆の持つ甘みが包み込むような味わい。コクもしっかりしていてとてもいい感じです。

しばらくハマりそうな豆。

 

焙煎記録:ブレンド「寒明」

2月の定期便ブレンド「寒明(かんあけ)」

二十四節気の、立春から雨水まで頃をこう呼ぶそうです。

今回は、ペルーマチュピチュ、東ティモールの2種のブレンド。

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オーガニックの東ティモール。粒は大きく、欠点豆も少ない。

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弱火で時間をかけて中煎りに。控えめのイチハゼから1~2分。表面にうっすら照りがでたところで煎り止め。

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ペルー マチュピチュ

こちらもオーガニック。普段は深煎りにすることが多い豆ですが、今回は中煎り。

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焙煎度をほぼ同じにしたアフターミックス。

オーガニック特有の草のような香りを活かして、春の木の芽のような若い苦みを出したブレンドです。

グァテマラ ウェウェテナンゴ ドン・アントニオ農園 ワイニ―

太平洋とカリブ海に挟まれた中米の国グァテマラ。

外貨獲得の主要作物だった天然インディゴが化学染料の発明によって減少した1856年以降、コーヒーはこの国の貴重な換金作物となりました。

グァテマラには、8つのコーヒー生産地域がありますが、ほとんどが山岳地域なので、面積としてはそれほど大きくありません。

香りが抜群で酸味と苦みのバランスが良いので、日本でもとても人気あるコーヒーです。

ウェウェテナンゴ地方は、グァテマラの首都グァテマラシティーから車で7時間ほど離れたメキシコに近い太平洋側の山岳地帯にあります。

マヤ族の言葉で「太古の場所」「先祖の場所」という意味を持ちます。

ドン・アントニオ農園は標高1700~2200mと、ウェウェテナンゴの中でも最も標高の高い地区にあり、コーヒーの栽培に適した乾いた石灰岩土壌です。天候は雨が少なく日中は霧が立ち込め寒暖の差が激しい地区でもあります。
加えて、隣のメキシコ テワンテペク地峡から乾燥した熱風が山に上がって吹き込む位置にあるため、霜が発生しにくい地理に恵まれています。

ワイニ―とは、精製方法のひとつです。収穫した実を果肉がついた状態で天日干しすることで、そのフルーティで甘酸っぱい香りが種子に移ります。

いわゆるナチュラル製法とほぼ同じなのですが、湿度が高い状態をあえて持続させることで、赤ワインのような芳醇な発酵風味が生まれます。

発酵臭が苦手な方にはパンチがありすぎる豆ですが、飲み慣れるとクセになります。

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生豆の状態でもワイニ―特有の強い発酵臭がします。茶色くなったシルバースキンが取れていない豆が多く、どこまでを不良豆とするか、ハンドピックでけっこう悩みます。

ドンアントニオワイニ―1

焙煎は中煎り。火力弱めからスタートし、イチハゼ後にさらにぎりぎりまで火力を落として2分切るくらいで煎り止め。最後は色で決めていく感じです。

今回の焙煎は雨で工房の湿度が高かったので冬のわりには焼きやすかったです。