焙煎記録:ブレンド「野分」

定期便のお客さま向けに月に1回ブレンドを作っています。

今回は6種類の豆を使いました。

ブログ ブレンド野分 004

ブラジル、ホンジュラス、コロンビア、ジャワロブスタを水洗して一晩乾かし、プリミックス(焙煎前に混ぜる)したものと、マンデリン、タイチェンライオリエンタルファズ農園をそれぞれ別に焙煎し、ブレンドしました。

ブレンドの名前は「野分」。台風の古称で、源氏物語第二十八帖の題名でもあります。

強い風に吹き上げられた御簾の隙間から垣間見える美しい女人の姿・・・をイメージというとちょっと言い過ぎですが、秋風の力強さと、草花の香りの重奏を意識して作りました。

焙煎前に水洗したほうの豆はすっきりと雑味がなく、そこに水洗しないボディの強いマンデリンと、優しいながらも野趣のあるタイチェンライを加えます。全体にすっきりした味わいですが、甘味、苦味も余韻に残る、複雑な風味の珈琲になりました。

ブログ ブレンド野分 011

 

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iphoneのアプリ、「ロードムービーズ」というのが面白かったので、焙煎の様子を撮影してみました。うまくアップできてるかなあ。

焙煎記録:ブレンド「打水」

定期便用ブレンドです。

グァテマラ をベースに、ブラジル、コロンビア、少量のジャワロブスタをプリミックス(生豆混合焙煎)して、さっぱりしつつ深みのある味わいを目指しました。

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生豆を4種類混合で焙煎というのはけっこう大技。水分量や大きさの違う豆は普段はあまりやりません。

4種類のうち、焦点を大粒のコロンビアに合わせ、軽めの焼きでさっぱり感を残しました。コロンビアより粒の小さいグァテマラ、ブラジルはニハゼのピークを超えないように火の加減をしつつ、均一に焼き上げることでアイスにしてもこくの残るボディに仕上げました。

焼き上がりの色は深めですが、苦味はそれほど強く出ないと思います(まだ焼き上げたばかりなので試飲の段階で)

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焼き分けてから混ぜるよりも均一な仕上がりになりますが、ムラが出てくることもあるので、ハンドピックはいつもの倍の時間をかけます。

夏の打ち水のような清涼感を出せたら良いなあと思います。

アイスがおすすめですが、ホットでも楽しんで頂けると思います。

焙煎記録:ブレンド「蛍」

毎月2回お届けする「珈琲定期便」。

豆は浮空のおすすめとなりますが、シングルオリジンとオリジナルブレンドを交互にお届けすることが多いです。

6月のブレンドはこちら。

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久しぶりの入荷となりましたコロンビア ケテンダマ スプレモ。「ケテンダマ」というのは昔統治していたインディアンの酋長の名前から由来しています。「スプレモ」は大粒のという意でS18(等級を決めるスクリーンの大きさ)で揃っていてきれいな豆です。粒の小さいものは「エキセルソ」「アソート」と呼ばれます。今回はあっさりめの中煎りに焼き上げました。

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ブラジル アララ。サンパウロ州のアララクアラ地区産なのでアララという名前ですが実際の生産地はフランカ、モジアナ地区に移動しているようです。ボディは強めで酸味、苦味のバランスが良いでのでブレンドの主軸に使いやすい豆です。浮空でも良く使っています。こちらも中煎りであっさりめに。

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コロンビアとブラジルというわりと王道のブレンドに、深煎りのジャワロブスタをアクセントに加えて完成。

名付けて「蛍」

レモンを浮かべたアイスレモン珈琲もおすすめです。

 

焙煎記録 ブレンド「遊糸」2012.4.11

 

今回は6種類の豆を使った複雑な味わいのブレンドです。

主軸はジャワロブスタというインドネシアの豆ですが、この豆は丸っこくてかわいらしい見た目に反してかなりボディの強い苦味を持っています。

この豆を使う時はその個性を活かしつつ、中和しながらまろやかさを引き出すために複数の豆を組み合わせていきます。

ロブスタ種の豆は缶やインスタントの原料になるほか、アイス用の香り上げのためや、酸味消しに使われることが多いのですが、インドネシアの国営農場(PTP)で生産されいるこの豆はグレードが高く、精製過程でしっかり水洗され雑味が少ないのでシングルでも美味しく飲めますし、ブレンドのメインに使ってもアラビカ種に負けない風味を持っています。

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ジャワロブスタの生豆。ウォッシュド(水洗精製)なので表面に薄皮がほとんどなく、つるっとしています。

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焼き上がりがこちら。苦味をしっかり引き出していたほうが、ブレンドの機軸を作りやすいので、つやが出るまでしっかり焼きます。

次に、甘味を加味するためにマンデリンを使います。

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浮空で使っているマンデリントバコG1は、インドネシアから横浜港に運ばれ、その後青森に出荷され、福岡にやってきます。ちょっと遠回りしてますね笑

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同じインドネシアの豆でも、マンデリンは粒が大きく色は翡翠色で面長。

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こちらもしっかり深煎りにしますが、ブレンドではアクセントとして使うので量は少なめです。

次に、キリマンジャロとホンジュラスをプリミックス(焙煎前に混ぜる)して軽めに焼きます。

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右がホンジュラス、左がキリマンジャロ。粒の大きさ、水分の含有量が近いので一緒に焼くことが可能です。

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この2種類はすっきり感を出すために使います。ロブスタのザラつきを中和してくれます。

次に、香りをよりよくするためにタンザニアのモカを少量加えます。

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粒が小さめでおコメを大きくしたような、両端がすこし尖ったよう形。

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浅めに焼いて、香りをしっかり引き出します。酸味も出ますが、ブレンドするとあまり感じなくなります。

途中途中で試飲しながら配合を決めていきます。混ぜたあとからでは分けようがないので(笑)10gくらいづつブレンドを作って、テイスティングを繰り返します。

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こちらが最終的に混ぜ合わせたものです。

名付けて「遊糸」(ゆうし)。陽炎という意味です。春の驟雨が地面を潤し、土の匂いの中にゆらりと立ち上る陽炎のようなイメージ。

土の香りのような力強い苦味の中から立ちのぼる陽炎のような甘味を感じて頂けたらなと。ちょっとこじつけ・・・ですけどお許しを。笑。

※こちらのブレンドは定期便のお客さま用の商品となります。申し訳ございませんが、ご注文は承っておりません。

 

 

焙煎記録:ブレンド「野遊」

浮空の珈琲定期便のお客さまへのブレンドを作りました。

野遊 ブレンド後021

今回は4種類の豆をミックス。

ホンジュラスGマルカラ・タイチェンライ(農園指定なし)をシングルで焼き、グァテマラ アンティグア アルト・デ・メディナ農園(RA)とグァテマラ エルピラールをプリミックス(生豆の段階でミックス)で焼いてブレンドしました。

浮空は直火手回しのロースターですので、得意分野は深煎なのですが、トルマリン鉱石という石を火とロースターの間に敷き詰めて、遠赤外線効果と直火の熱を両方利用して焼きますので、深煎でもカラカラにならずふわっと仕上がります。

今回は、春の息吹が感じられるような新鮮さを出したいと思い、いつもより石を多く使用し、直火がほとんど当たらない状態で、弱めの火力でじっくり(けれど焦げないように)焼き上げました。

焙煎時間は深煎と変わらないのですが、中煎くらいの仕上がりにしました。

ホンジュラスをベースに据えて、やや青みのある香りのタイチェンライ(農園指定なし)を加え、グァテマラのさわやかな酸味を強調したブレンドです。

イメージは、春の野草の新芽。タラの芽や木の芽、ふきのとう、などの、ほろ苦さとほろ甘さを表現してみました。名づけて「野遊」。俳句で春の季語になっている言葉です。今で言うピクニック、みたいなものかな・・

少しづつ春めいてくる今日この頃。外に出て野遊びしたくなるような気分で飲んで頂けたら良いな、という思いを込めて作ったブレンドです。

ブレンド 野遊  ホンジュ 006

ホンジュラス Gマルカラ : 大きめでざっくりした見た目に反してけっこう繊細な味です。

ブレンド 野遊 グァテマラプリミックス 010

タイチェンライ(農園指定なし) : 見た目は丸みがあって焼き立てを食べるとサクサクしたお菓子のような軽い食感(えーと、店主は豆の味を見るために焼きたてをそのままよく食べますがあくまでテイスティングのためであって、おなかが空いて食べるわけではりません・・)

香りは乾ききらない干草のような感じ。

ブレンド 野遊 タイ 007

 

グァテマラ2種のプリミックス。ずば抜けた香りのエルピラールと浅めの煎りだと酸味がやや強くなるアンティグアをブレンドのアクセントに使いました。

全体的にすっきりした風味のブレンドです。冷めてからの甘味が秀逸です。

※「野遊」は定期便のお客さまへの今回限定の商品です。一般に販売はしておりません。

 

ジャワロブブレンド 2012.10.06

こんばんは浮空です。

ヴィレッジヴァンガード イオン直方店さんには月に2回ほど豆を納品しています。

今日は10月の一回目の納品用の豆の焙煎。

ジャワロブブレンドです。

ジャワロブ、グァテマラアンティグア、ホンジュラスマルカラ、タイチェンライの4種の豆を使いました。

グァテマラ、ホンジュラス、タイはプリミックス(生豆でミックスして焙煎)で中煎りしたものに、深煎りのジャワロブをアフターミックス。

口に含んだときから余韻まで少し重めの苦味が続くビターなブレンドです。最後にふわっとグァテマラが香って濃厚で複雑な味わいです。

ミルク&シュガーと相性が良いので、カフェオレで秋の夜長のおともに!

グァテマラ+ホンジュラス+タイ の中煎り。

ジャワロブを別にして深煎りに。

混ぜると煎りの度合いの違いがよくわかります。

私はマカデミアナッツのショートブレッドと一緒に試飲。今日はこれが夕ご飯。。。。

甘いものと珈琲、幸せ。。。

 

秋のブレンド 2012.9.30

こんばんは浮空です。

あっというまに9月も終わり、明日からは10月ですね。10月1日はコーヒーの日です。

コーヒーは10月から新年度に変わる(ブラジルでは収穫がだいたい9月で終わるので)と国際協定で定められているそうです。

といっても豆の収穫時期は地域によって異なります。(アジアなどでは10月頃から春先までが収穫期)なのでそれほど深い意味があるわけでもないのですが、収穫に感謝して焙煎しようと思います。(ほんとはいつも感謝なんですけどね。意識をリセットするには良い日だなあと思います。)

そんな感じで今日は朝から定期便ほかご注文の豆を焙煎していました。

先日ブログに載せたトルマリン鉱石がなかなか良い感じです。

コンロまわりに余熱を入れるのがずいぶん楽になりました。最近はだいぶ涼しくなって来たので一回ごとに余熱を入れなおすのですが、石のおかげで時間短縮できます。

コンロ周りに置くだけでなく、豆によっては金網(お餅などを焼く時に使うようなもの)をコンロとロースターの間に挟んで、石を敷いて使うこともあります。

直火で焦がしすぎることなく、ふっくらと焼き上げることが出来ます。まだ試行錯誤の段階なので使い方は改良の余地があるかもしれませんが、いまのところ豆の仕上がりは納得いくものになっています。

今日作ったブレンドは、ブラジルサントス ダテーラ スイートイエロー ・ ホンジュラス SHG G マルカラ ・ マンデリントバコ の三種類のアフターミックス(それぞれの豆を焙煎したあとにミックス)です。

左から、ブラジル、マンデリン、ホンジュラス。

こちらがブラジル。ブラジルサントスというのは、ブラジルのサントス港から出荷される豆全般を指す言葉です。ダテーラは農園の名前です。スイートイエローとは品種名で、アマレロという呼び方をされることもあります。

本来コーヒー豆はコーヒーチェリーと呼ばれることからわかるように赤い色をしているのですが、このスイートイエローは果実が黄色い希少種です。

焙煎は中煎り。スイートイエローは、もともと甘みのある豆なのであまり深く焼きません。ベーシックな味わいで、ブレンドの要になる豆です。

ホンジュラス SHG G マルカラ。SHGとは、産地の標高を現していて、STRICTLY HIGH GROWNの略です。(1500m~2000m)

ホンジュラスのラパス県マルカラ地区(グァテマラとの国境近く)にはドイツ系の移民の開墾した農園が数多くあるそうです。

焙煎は中煎り。ボディは強くなくて、酸味の少ない豆です。メインにするにはやや弱いのですが、ブラジルとの相性が良く、よりバランスのとれた味わいになります。

マンデリントバコ。インドネシア スマトラ島北部のマンデリン地方のトバ湖周辺で収穫された豆です。浮空のラインナップでは定番の、店主の大好きな豆です。

焙煎は深煎り。二ハゼが終わるまでじっくり焼き上げます。深く焼くほどにまったり甘く重いこくが出て、他にはない香りの強い豆です。ブレンドのアクセントには欠かせません。

秋はこのブレンドがイチオシです。

ぜひお試しくださいませ。