(タイのコーヒー農園を見学させて頂いた時のブログ記事より引用しています)
タイ北部、ミャンマーと国境に位置するチェンライ。
オリエンタルファズ農園は今中健太郎さんという日本人の方が現地の少数民族の方々と一緒に営んでいらっしゃる農園です。コーヒーのほかにも日本米や釜揚げ古代塩などを作っていらっしゃいます。http://orifas.com/
バンコク在住の友人のカフェでオリエンタルファズの珈琲豆を取り扱っていることがご縁になり、今回、今中さんに農園を案内して頂きました。
短い時間でしたがいろんなことを教えて頂き、とても勉強になりました。
オリエンタルファズは、開墾した土地に植樹するのではなく、標高1200mほどの山の中で森の木々をシェイドツリーとして植えられています。
ぎりぎりまで手を加えない自然の生態系の中でコーヒーの木が育っていました。
コーヒーの木は本来日陰を必要とする植物です。開墾した土地では効率よく生産が出来ますが、シェードツリー(日陰を作るための木々)が少ないところが多いのです。
いままで知っていたコーヒー農園(自分で見たことはなくて映像や本でなどの情報として知っているだけですが)の乾いたイメージと、この農園はあまりにもかけ離れていましたが、驚くというよりはなんだかとても安心する場所でした。
森のひんやりした湿度とみずみずしく実るコーヒーの実、つややかな葉とそれらを高く覆う木々に、言葉にならないくらい強く心惹かれました。
これから開墾された土地を森に戻していきたいと、さらりと言う今中さんの中に言葉ではなくただ当たり前に日々を過ごしていることの強さを感じました。
この農園で収穫された豆は、2012年2月にタイ・チェンマイで開かれた国際博覧会のロイヤルフローラ国際品評会で、タイ国内産のアラビカ種のコーヒー豆の最優秀賞を受賞されています。
けれど、品評会で賞をとっているから素晴らしい豆というわけではないと思います。
活き活きとした森があって、精霊信仰を持つ山岳民族のアカ族の方々が村全体でコーヒーと関わって、村の人と今中さんがお互いをリスペクトしあっているから豊かな収穫がある。森の生態系の中で、当たり前に当たり前のことが行われているから素晴らしい豆になるのだろうなと思いました。
この豆に宿っているなにかを引き出す焙煎が出来たら良いな、と思います。
生豆。
一般的な天日干しより長い時間(2週間)かけてじっくり乾燥させてあるそうです。
そのせいか、焙煎時の水分の抜けが良く、軽やかな焼き上がりになります。
味わいはまろやか。香ばしく、ほんのり甘味があり、柔らかな苦味の余韻が楽しめます。