コロンビア サンタンデール ブカラマンガ エル・パライーソSP

コロンビア北東部 サンタンデール県の県庁所在地、ブカラマンガの精選工場から出荷されているエル・パライーソSP。

サンタンデール県は、コロンビアではじめて輸出専門のコーヒーを作るようになった地区で、古くから輸出業者と生産農家が助け合って品質の良いコーヒーを作り上げてきた歴史ある町です。

コロンビアは二つの大きな山脈があり、複雑な地形をしているため、産地によって味わいの特徴も異なります。

この豆は、酸味と香ばしさのバランスが良く、やや軽めの味わいです。

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丁寧にウォッシュドされており、欠点豆は少なくとても状態の良い生豆です。スクリーンサイズも揃っていて、ハンドピックも楽でした。

品種はカトゥーラとティピカ。同系列の種なのでバラツキはほとんどない印象。

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ミディアム~ハイくらいで焙煎。コロンビアはボディが強いものが多いですが、この豆はすっきり系なので今回はあえて軽めに。

焼き上がりは貝殻豆がやや多め。ヒビもややあり。ムラが出にくいのは均一に乾燥されている証拠。

 

 

 

ザンビア NCLL農園

アフリカ中南部の内陸にあるザンビア。

地理的にはコーヒーの栽培に適しているのですが、干ばつに備えるための設備がなかったり、大規模農園でも銀行からの長期的な融資が受けられなかったりと、なかなかコーヒー生豆が輸出産業として成立してきませんでした。

この豆は、2012年に、元国営農場の枯れた木をすべて植樹しなおし、ようやく輸出にこぎつけたものです。

まだまだ新しい農園の、若い木のから収穫された豆です。

コーヒーは収穫出来るようになるまで3年かかりますので、まだ2年目の豆、ということになります。

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ハイブリットと、アラビカの混栽です。

形は丸く、大粒で、ロブスタの特徴がはっきりと出ています。

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テスト焙煎ではハイくらいにしてみましたが、酸味がきつめでガスがとても多いので

今回はもう少し深めに。2ハゼ直前で煎り止めです。

やや薄めのドリップのほうが個性がわかりやすく、きりっとした酸味に、アフリカらしい濃厚な風味が加わっています。

 

 

 

焙煎記録:ブレンド「風焔」

4月の定期便ブレンド「風焔(ふうえん)」です。

昔の人が、ドイツ語のフェーン(フェーン現象)の当て字として使っていた言葉だそうです。
晩春の湿った南風が日本列島の中央山脈にぶつかり、太平洋側に雨を降らせたあと、乾いた空気が日本海側に吹き下ろし、急激に気温が上が る現象のこと。

浮空の焙煎所のあるあたりは、この季節、明け方は濃い霧に包まれることが多く、霞たなびく山に点在する桜がとても綺麗です。

豆は、インドネシア マンデリントバコG1をベースに、同じくインドネシア  コモドドラゴン、タイチェンライ、エチオピア モカ イルガチェフェG1の4種類のアフターミックスブレンドです。花曇りをイメージした、少しスモ―キーな味わいです。

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タイチェンライオリエンタルファズ農園。だいぶ乾燥が進んできました。マイルドで甘みのある豆なので、今回のようにマンデリンとモカのように個性がまったく違う豆ををブレンドするときには、まとめ役として活躍します。特に、アフターミックスの場合は、個性がばらばらになってしまうので、中和するためにも欠かせません。

焙煎は、ニハゼ直前まで。深めに焼いても苦みは出にくいので、酸味を消して甘味がでるところで煎り止め。

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マンデリン トバコG1 このロットも残り少なくなってきたのでそろそろ次のマンデリンを探しているところ。トバコは当たりが少ないのでじっくり。

焙煎は、ニハゼ直前までのものと、思い切り振りきった極深煎りと2種類をブレンド。

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エチオピア モカイルガチェフェG1(ナチュラル)

イルガチェフェ地区の中でも特に高品質と言われているゲディオ地区で生産された小規模農家の集売豆を、モハメド・フセイン・アダミ・ウォッシングステーションという精製所で精製したもの。

欠点豆が少なくとてもきれいで、華やかなモカ特有の香りもかなりしっかりしています。

焙煎は、春らしいモカの香りを出すためにイチハゼ後すぐに煎り止め。豆が小さいのであっという間に熱が入ってしまうので細かくタイムキープしながらの焙煎です。

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インドネシア コモドドラゴン

フローレス島の豆です。コモドドラゴンが住んでいることからこの名前が付けられているようです。マンデリンに似た特徴を持っていますが、甘酸っぱいワイニ―感もあります。

深煎りでも美味いですが、今回は苦みとスモ―キー感はマンデリンに託して、イチハゼから余熱で軽く仕上げました。

 

 

 

 

 

 

 

 

インドネシア ガヨマウンテン

インドネシア スマトラ島 アチェ州 ガヨマウンテン

インドネシアは大小合わせて13000以上もの島からなる島嶼国家で、 ひとくちにインドネシアと言っても、 それぞれの島や少数民族ごとに異なった歴史のある複雑な国です。

アチェはスマトラ島最北端にある州で、 もともとはアチェ王国として胡椒の貿易などで栄えていました。

1942年にスマトラ島がインドネシアに統合された後も、 アチェ・スマトラ国として独立運動を続け、政府軍とのゲリラ戦が続いてきました。

2004年のスマトラ沖大地震・津波の被害が甚大だったことでいったん停戦となり、 翌2005年にようやく和平条約が結ばれました。

アチェ州で生産しているコーヒーの生豆が日本で普及しはじめたのは、 ここ10年ほどのことです。それまでも生産は行われていたのですが、 アチェよりも少し南部の、マンデリンに混ぜられて出荷されていたそうです。

ガヨマウンテンは、マンデリン見た目はよく似ており、 大粒できれいな濃グリーンの生豆です。 味わいは、甘く重たいコクがあり、香りはワイニ―(赤ワインのような香り)です。

深煎りでも美味しいのですが、今回は少し軽めに。

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大粒できれいなグリーン。欠点豆も少なくハンドピックはどちらかというとアフターでしっかり。

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火力強めでイチハゼが終わるまで待ち、弱火にしてじわじわと仕上げる感じ。しっかり膨らんだら火を止めて冷却。

インドネシアはフレンチかイタリアンまで振り切ることが多いのですが、今回は甘酸っぱさを残して軽めの仕上げ。

 

焙煎記録:ブレンド「初音」

3月の定期便ブレンド「初音(はつね)」

初音とはウグイスの別名です。

ホンジュラスHG、キューバTL、グァテマラ フィラデルフィア農園 ラ・クプラワイニ―、パナマ ゴールデンビートルの4種類のアフターミックスです。

ホンジュラスとキューバの酸味が少なく穏やかで香ばしい風味をメインに、グァテマラの濃厚なコクと赤ワインのような香り、パナマの生のクルミのようなミルキーな香りを加えました。

桜餅のようなかわいらしい和菓子に合う珈琲です。

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ホンジュラスHG スペシャルティではないのでそばかすも欠点豆も多いですが、粒は大きく粒度も揃っていて焼き上がりにムラが出にくいので、丁寧にハンドピックすればとても良い豆です。

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火力強めでイチハゼまでで煎り止め。酸味が少ないので手回し焙煎の中では浅めに仕上げても味がきつくなりません。穏やかな香ばしさがありブレンドのメインには向いている豆です。

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キューバTL こちらもホンジュラスと傾向は似ている豆です。豆面が良く、焼きムラも出にくい焼きやすい豆。ホンジュラスよりも香りがやや立っている感じ。フルーティさはなく、香ばしさが特徴。

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こちらも強火のイチハゼで煎り止め。ブレンドのイメージから、香りを出しきる前に止めた感じ。

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グァテマラ フィラデルフィア農園ル・クプラワイニ―

生豆の状態でも甘酸っぱい香りが漂う豆。欠点豆は少なく、粒は小さ目。

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シルバースキンのはがれが良く、チャフはすぐ真っ黒になってぱらぱらと取れるので焼きやすい。火が通りやすいので、火力は加減しつつ、イチハゼ後、余熱で整えて冷却。

熟成した香りがしっかり立ってブレンドの香りの層に厚みを加えます。

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パナマ ボケテ地区 サンセバスチャン農園 ゴールデンビートル

グリーンでみずみずしい豆。欠点豆が少なくハンドピックは楽。ただし焼きムラが出やすいので試行錯誤。

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火力強めでイチハゼまで持って行き、ハゼたら火力を落としてゆっくり仕上げます。

ミルキーな香りと強い甘味が特徴。苦味弱め。

 

全体として穏やかな風味を中心に据えて、特徴の違う豆を使い、バランスを整えていくブレンドです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊本地震被災地への寄付のご報告とお礼

兵庫県尼崎市の生豆卸問屋「生豆本舗」http://www.namamame.jp/ の社長岡崎様にご協力を頂いた生豆で作りました珈琲のドリップバッグセットの第一弾が完売致しました。

ご購入下さいましたお客さまにこの場をお借りしてお礼申し上げます。

合計金額14,400円

となりました。

こちらの金額に個人で600円追加し、15,000円を、認定NPOピースウィンズ・ジャパン様 http://peace-winds.org/ を通じて熊本被災地支援活動への寄付をさせて頂きました。

熊本での活動内容はこちらでご覧頂けます。 http://peace-winds.org/activity/kumamoto/

ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人びとに対して海外国内問わず支援活動を行う非営利活動法人です。

今回こちらを寄付先に選んだ理由は、こちらの団体が、東ティモールでコーヒーの生産活動の支援を継続的に行っておられ、浮空でもオーガニックの東ティモール産の豆をたびたび焙煎してきたご縁からです。

その活動の詳細はこちらからご覧頂けます。http://peace-winds.org/activity/timor_leste/

支援を始められたころは35世帯しかなかったコーヒー農家は今は600世帯に増え、品質も年々向上しています。

浮空では今後も引き続き被災地の支援を行って参ります。どうぞよろしくお願い致します。

浮空 店主

※下記に領収書を添付予定ですが、まだ届いておりませんため、先方より頂きました寄付の確認のメールを暫定で添付しております。領収証が届きましたら差し替えます。

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ブラジル さくらブルボン

ブラジル ミナスジェラス州  ボンスッセソ地区 サンタルジア農園 ブルボンアマレロ種 さくらブルボン。

さくらブルボンとは、 この豆を買付している商社さんが付けた名前です。

年に一度、ニュークロップ(昨秋に収穫されたばかりの新豆)が 数量限定で輸入されます。

完熟した豆を、鮮度を保つために20Kg づつに小分けして輸入するので、とても良い状態で入ってきます。

ブルボンアマレロという品種は、通常は赤いコーヒーチェリー(実)ですが、この品種は果実が黄色く、 甘みが強いのが特徴です。

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ディスカスカードという水洗式の精製工程を経て、天日干しで乾燥させています。

生豆の状態は良く、欠点豆も少ないです。焼いてもはがれにくいタイプの薄皮と、割れ豆、わずかに虫食い豆をハンドピックで取り除きます。

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天日干しのブルボン種の特徴なのかもしれませんが、単一農園にしては生豆の水分量にややバラツキがある感じ。

焼きにムラが出やすいので火力の調整をしながらできるだけ均一になるように仕上げて行きます。

イチハゼの声が小さく耳をすましながら火力を落とすタイミングをはかります。

ジューシーな香りに対して味わいは香ばしく、冷めてから甘味を感じます。