浮空の通販をはじめてから5年。ずっと変わらずに浮空のイチオシ豆として焙煎し続けている、タイ チェンライオリエンタルファズ農園。
この豆を生産している、少数民族アカ族の方たちのことが2017.1.27付の日経新聞で紹介されていました。
村に素敵なカフェが出来たとのこと。今度タイに行けるときにぜひ遊びに行ってみたいと思います。
以下、日経新聞より転載です。
『かつて麻薬の密造地として知られたタイなど3カ国にまたがる「黄金の三角地帯」は今、コーヒーの木の栽培が盛んだ。少数民族のアカ族が作るのは自然との共生を目指した「森のコーヒー」。農薬を使わず、時間をかけて作るコーヒー豆はタイの品評会で最優秀賞を受賞するほど品質が高い。アカ族は村の住民総出で自立の道を進んでいる。
タイの第2の都市、チェンマイから北東に約250キロ。アカ族が住むパヒ村はミャンマーと国境を接する山岳地帯の一角にあり、山の斜面にはマツやサクラの森が広がる。高い樹木とともにコーヒーの木々が100万本以上も生えている。葉の下につけた多くの実が真っ赤に色づき、コーヒー豆の収穫期を迎えた。
ケシ栽培脱却
¥^4え74えアカ族のミー・ミュンさん(63)は枝を引き寄せて、一つ一つ丁寧に実を摘み取る。1日の収穫量は40キロにもなる。この村で取れる実は大きくてずっしり重い。12月中旬から1月末までの収穫期の間、毎日実を摘み取る作業が続く。
村の住民がコーヒーの木の栽培を始めたのは約35年前。それまではアヘンなど麻薬の原料となるケシを栽培していた。当時は麻薬を扱う組織が一帯を支配していたことに加え、ケシしか収入源がなかった。
タイ政府の麻薬撲滅運動などもあり、ケシ栽培をやめた後は、山の環境保全を目的に松などの木々を植えた。ケシ栽培は山の木を切って斜面全体で作っていたが、もともと自然信仰が強かったアカ族には抵抗があったという。このためコーヒーの木を栽培する際には木を伐採せず、森の中で栽培することにした。
森では高い木々が日光を遮り、コーヒーの実の育成は通常より20日以上長くかかる。面積当たりの収穫量も約40%少ない。その代わり、森にすむ虫が木の害虫を食べるため、駆除剤を使わなくても済む。落ち葉が肥料になり、土壌も豊かになり、その栄養分を吸収するため、収穫期には大きな実をつける。
ミー・ミュンさんの息子で村長のアランさん(41)は「我々が大切にする自然を生かして、おいしいコーヒー豆が取れるなら、こんないいことはない」と喜ぶ。
高台にカフェ
012年にタイ・チェンマイで開催された「ロイヤルフローラ国際品評会」で、同村のコーヒー豆はアラビカ部門で最優秀賞を獲得した。パヒ村のコーヒー豆を仕入れる食品商社、オリエンタルファズの今中健太郎社長は「苦み、甘み、コクがしっかりあるのに、さっぱりしている。奥深さがあり、毎日飲んでも飽きない味」と高く評価する。
多くの人に知ってもらおうと、村はこのほど眺望のいい高台にカフェを開設。テラスからは国境の向こうのミャンマーを見渡せる。
今年前半は降水量が少ないなどの天候不順で豆の収穫量は減る見込みだ。それでも森と共生しながら高品質のコーヒーを作り、自立することにアカ族の人たちは誇りを持つ。森の味わいがにじむコーヒーが、いつか世界に広がることを心待ちにしている。
(バンコク=清水泰雅)』